夏の賑わいと比べ、どこに行っても閑散としているのが冬です。※スキーリゾート地を除く
私はニュージーランドも雪が降らないと思っていましたが、日本同様国土が縦に長いニュージーランドは南島には雪が降ります。
日本のようにガスストーブではなく、暖炉とヒーターで寒さをしのぐので、朝方は家の中がとても寒いです。
サマータイムが終わった瞬間に、一気に日が短くなります。
寒さが嫌な人は、雨ばかりになりますが、北島に行った方が良いでしょう。
冬は仕事に行っても、めちゃめちゃ暇でやることがなく、とても苦痛です。そしてそんな時はトラブルが起こるものです。
夏にずんぐりむっくりに告られた私は、そのまま同じ職場で冬を迎えました。
そしてくだらない喧嘩が勃発しました。
超スピード婚
私がずんぐりむっくりに告られて2カ月程たった5月。キッチンではなく、フロントに新しく女の子が入ってきました。
キッチンとフロントはあまり接触がないのですが、冬になるとフロントの人数が減らされ、キッチンだけではなく、フロントの掃除も私がするようになっていました。
本当はフロントの仕事なので、忙しくてキッチンの掃除だけで手いっぱいの時はその新しい子もラストまで残って、フロントの掃除もやっていました。
フロントで接客をしている時は話せないので、その掃除の時を狙って、ずんぐりむっくりは、その子に話しかけに行っていました。
私はずんぐりむっくりに口説かれるのは苦痛だったので、本当にどうでもいいのですが、結局こいつは誰でもいいんだろうなぁと思ったことと、彼女がフロントの掃除をさっさと終わらせないと、私が代わりにフロントの掃除機をかけなければいけなくなるので、その子の仕事の邪魔をしていることに少しいらいらしていました。
その1カ月後、職場でずんぐりむっくりが皆にチョコレートを配っていたので、何のためのチョコレートかを聞いたら、Because I'm marriedと言いました。
※正しい文法はI got marriedです。
ずんぐりむっくりが、彼女を口説いているのは、誰から見ても明らかでしたが、私はまさか彼女がそれを受け入れて、付き合って、というか出会って1カ月で結婚するとは思いませんでした。
それと同時に、私はずんぐりむっくりと付き合わなくて本当に良かったと思いました。
彼の国ではNo boyfriend No girlfriendで付き合う期間なく、いきなり結婚するという明治時代の日本みたいな話を聞いていたので、きっと付き合ったら即結婚なんだろうなと思っていたら、まさか本当に1カ月で有言実行するとは思っていませんでした。笑
英語が話せない人同士のくだらない喧嘩
仕事中にキッチンでいちゃつかれるのはウザかったのですが、しばらく放置すること1カ月。
私は土日のみの出勤になってきて、Closeの2時間前からキッチンは私とずんぐりむっくりの2人きりのシフトになっていきました。その頃から、やたらとずんぐりむっくりが、私に「Faster,Faster(早く)」というようになってきました。
しかも、ずんぐりむっくりはシェフとしてもできそこないなので、Closeの間際にお客さんが来て、大量の注文が来ると大パニックになって私に助けを求めてきました。
忙しくなるとパニクって人には助けを求めてきたり、自分もそんなに仕事ができるわけではないくせに、文句を言ってきたり、私がフロアにモップをかけなければいけない時も、夫婦でキッチンでいちゃついていて掃除の邪魔だし、初めは我慢していましたが、それが1カ月毎日続いたある日、私のストレスは爆発してしまいました。
「いつもいちゃついてばかりいるけど、まじめに働いてよ!」と私がいうと、「I do my job」「She is my wife, It's noy your business」と言ってきました。
おそらく、自分はちゃんと仕事をしているし、妻のことはお前に関係ないと言いたかったのでしょう。
そこからは、激しい言い争いになりました。しかしお互い何言っているか全然理解できていないこともわかっていて、正直なんだこれ?と思いました。笑
私がかろうじて理解できたのが、「お前はいつも失敗ばかりしている」と言われたので、失敗とは何のことかを聞いたら、「お皿を割った」と言われました。
確かにお皿を割ったことはありましたが、2週間前の1回です。失敗というならいつもピザを焦がしてそのたびに失敗作を私に押し付けてくるお前はどうなんだと思いました。
言い争いを止めに入ったフロントのマネージャーに、私が説明している間も、ずんぐりむっくりが「Don't speak too much」と言ってきました。
この場面で、ドントスピークトゥーマッチって。笑
私もですが、こいつの英語力ではマネージャーに説明しても事態は収拾しないなと思い、私がボスを呼び戻し、事の顛末を説明しました。
ちなみにボスはずんぐりむっくりと同じ国籍です。そして、平等に話を聞いてくれる、器の大きい人なので、わたしの拙い英語もきちんと理解してくれました。
私は我慢しすぎて限界だったことや、初めて英語で大喧嘩したことで、ボスに話しながら、ニュージーランドに来て初めて泣きました。
私が話した後に、ボスはずんぐりむっくりと話したのですが、当然私に落ち度はなく、ボスに怒られた後、ずんぐりが私に謝ってきました。
ボスと話した時、ずんぐりむっくりは私がお皿を割ったという2週間前の話をしたようですが、それとずんぐりむっくりがきちんと仕事していない話は全く関係ありません。
ただ単にボスに怒られた言い訳にしても、見苦しいなと呆れてしまいました。
それで事が収まればよかったのですが、翌日私が挨拶すると、実は自分が全く悪いと思っていないずんぐりむっくりに、おもいきりシカトされました。
それから1カ月私が辞めるまで、彼が態度を改めることはありませんでした。普段はシカトしてくるくせに、いつも通りパニックになると助けを求めてくる。正直助けたくありませんでしたが、仕事なので仕方なく、手伝ってあげていました。
ただ私も、言い争いになる前に、早くボスに報告していれば良かったなというのが唯一の反省点です。
ずんぐりむっくりのその後
ずんぐりむっくりは、ニュージーランドに来た時に、同じ町の違うレストランで働いていました。
しかし、2年後永住権にアプライした時、店のマネージャーが彼の態度の悪さに言及していたらしく(詳しく知りませんが、アプライする時にスポンサー先の評価が選考に関わってくると思われます)、イミグレが彼に永住権を与えませんでした。
その後今のカフェに移ってきて、再びアプライしようとしましたが、2017年8月、永住権の申請基準に、最低年収が導入されました。さらに、英語力の証明が必須になりました。
それまでのニュージーランドの永住権は、ワーホリで行ける国の中で最も取りやすいと言われていました。
しかし、新制度の導入で一気にハードルが高くなったのです。
そして、ずんぐりむっくりは法改正の前にアプライしていなかったそうです。
シェフであれば、法改正前の取得は難しくなかったはずです。
しかし、彼の能力と英語力では新制度での永住権取得は難しいでしょう。
奥さんもキウィではないのに、この先どうするのかは私の知ったことではありません。
今の話は、私がカフェで働いていた頃、ずんぐりむっくりと親友のように仲が良かった人から聞いた話ですが、その人も私と同様に、くだらないことで喧嘩をし、ずんぐりむっくりにシカトされているそうです。
こうなってくると、ずんぐりむっくりは完全にトラブルメーカーだったんだなーと思います。
法改正の導入は、今までがゆるすぎて、本当に有能な人にしか永住権を与えないためだそうですが、ずんぐりむっくりの例をあげると、法改正して正解だったんだろうなと思います。
職場にどうしようもない人がいる場合は、我慢せずにボスにチクるべきだと学びました。