30年という長いのか短いのか微妙な人生の中で、私は他人と比べて波乱万丈な体験をしてきたと、思っています。
中には自分から危険に飛び込んでいったこともありますが、ほとんどが運悪く巻き込まれてしまった。もしくは自分の選択ミスで起こってしまったことです。
オーストラリアでも起こってしまった、事件について書きたいと思います。時系列順に書きたかったのですが、内容的に書こうか迷い、いったんスキップしました。
長くなるかもですが、よろしくお付き合いくださいませ。
不安的中
これは、私が1回目にファームで働き、ファームを去る約1カ月前の話です。
ニュージーランドでのワーホリの経験から、自分の過ごしやすい場所を見つけるまでには時間がかかると知っていました。ですが、ワーホリでオーストラリアに来てからというもの、一人旅を始めるまで、全ての事が順調に進んでいました。
バナナファームももっと辛いものだと覚悟して、タリーにやってきました。
それが、すんなりと仕事を手に入れ、快適な家がみつかり、毎日のお金の心配もない。そう気づいた時、私は不安になりました。本当にこのまま何事もなく、平和な生活を送って、タリーを去ることができるのか??
何もあったワケではありませんが、私は不意にそう思いました。
だけどタリーでの生活も残り1、2カ月。この何カ月かの間、何も起こらなかったし、何かが起こる要素もない。起こるとしたら、この後タリーを出てから仕事が見つからないとか、そんなことだろう。それなら今心配しても仕方がない。きっと環境が変わることに緊張しているのだろう。そう思いました。
その時の私の不安は、その1カ月後全て的中してしまいました。
天気の良い昼下がりに聞こえてきた大きな物音
ついに事件が起こってしまったのです。フライトチケットを予約していたある日。その日は天気の良い土曜日でした。
自分の部屋でパソコンとにらめっこしていると、隣の部屋から大きな物音が聞こえてきたのです。びっくりした私は初めて自室のカギを閉めました。続けて言い争う人の声。
それほど長い時間ではありませんでした。
それから15分ほどたった後、シェアハウスのオーナーカップルが2人で出ていきました。私の部屋の窓からは駐車場が見えます。彼女だけが車に乗り込みどこかへ行きました。
その後、彼氏もどこかへ行ってしまいました。
何が起こったかわからなく、ひたすら不安な気持ちで部屋にいた1時間後、急に誰かがノックもなく私の部屋を開けようとしました。
恐怖で声が出ませんでした。
「Open the door!!」
聞いたことのない男の人の声。
ドア越しに聞き返しました。
「Who are you?」
返答は、「Police!」
ポリス!?
びっくりした私は、ドアを開けました。そこには制服を着た2人の警官が立っていました。
ポリス:Where is ●●(彼氏の名前)?
私:I don't know. He's gone. What's happening?
ポリスの答えは、彼氏が彼女に手をあげたとのこと。
びっくりしすぎて、どうしていいかわかりませんでした。
ポリスが家の中に彼氏がいないことを確認すると、彼女が家の中に入ってきました。
おもむろに荷物をまとめる彼女。
私はAre you okay?としか言えませんでした。
彼女もただひたすら、I'm sorry と繰り返すだけ。
ポリスがスーツケースを持った彼女と一緒に家を出ていく際、
私:Are you coming back here soon?
ポリス:No
そして、パトカーに乗って去っていきました。
状況もわからず、ただ不安なまま部屋に立ち尽くした後、数時間何もできませんでした。
2時間後再びポリスが部屋にきました。
私は彼らのフラットメイトだけど、どうすれば良いかと、助言を求めましたが、彼女に連絡して聞いてくれと言われました。・・・冷たい。泣
しかも、彼女のスマホは彼氏により破壊され、連絡がつかなかったのです。
どうすれば良いのかわからないまま、辺りは暗くなり、夜が来てしまいました。
暗くなったころ、再びポリスが来ました。
おそらく彼氏はカギを持っていません。ドアをロックすべきかポリスに相談すると、「鍵をかけて、もし彼のことが怖ければ、君は私たちに電話することができる」と言われました。
ポリスが何度も家に来たのは、彼を捕まえるためではなく、彼女への接近禁止令の紙を彼氏に渡すためです。それを渡した後、彼氏が彼女に連絡をしようとしたり、20m以内に近づくと、今度こそ逮捕されることになります。
外国での警察とのやりとり
夜中になり、彼氏が帰ってきました。Open the doorと激しくドアをたたく彼。とても怖かったです。
カギを開けず、警察に電話をしました。
オーストラリアで緊急の警察への電話番号は000。
事件の内容と住所を伝えると、その地域の部署に繋ぎ直されます。
ポリス:Hello
私:Help me, He is back. I'm scared!!
ポリス:Who?
私:He punched his girlfriend and he is back home!!
英語で状況を説明するのが難しいうえ、正直パニック状態だった私はひたすらヘルプというしかありませんでした。
私:Please come here soon
ポリス:I know. But we need to know your address.
私:●●(自分の住所). Please help.
ポリス:Okay see you!
See you じゃねーよ!と思いました。電話の間、ドアではなく私の部屋に回り、激しく窓をたたく彼氏。これ以上、ドアを開けないのは無理だと思い、いかにも今起きたかのような、眠たそうな演技をして、鍵を開けました。
彼氏:Where is her?
私:I don't know, she's gone.
彼氏:What the heck!?
私:What happened?
彼氏:I don't know
彼の答え聞き、I don't knowじゃねーよ!お前が彼女に手をあげたんだろうと思いました。しかし、彼は彼女が警察に行ったことも、警察がこの家にきたことも知りません。
とりあえずは、暴れたり私に何かをしてくることはなさそうだったので、そのまま警察が来るのを待ちました。しかし、2時間待っても警察が来る気配はありませんでした。
続く